道路交通法より抜粋
(免許の拒否等)
第九十条 公安委員会は、前条第一項の運転免許試験に合格した者(当該運転免許試験に係る適性試験を受けた日から起算して、第一種免許又は第二種免許にあつては一年を、仮免許にあつては三月を経過していない者に限る。)に対し、免許を与えなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この項から第十二項までにおいて同じ。)を与えず、又は六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。
一 次に掲げる病気にかかつている者
イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
一の二 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第五条の二第一項に規定する認知症(第百二条第一項及び第百三条第一項第一号の二において単に「認知症」という。)である者
二 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
三 第八項の規定による命令に違反した者
四 自動車等の運転に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為(次項第一号から第四号までに規定する行為を除く。)をした者
五 自動車等の運転者を唆してこの法律の規定に違反する行為で重大なものとして政令で定めるもの(以下この号において「重大違反」という。)をさせ、又は自動車等の運転者が重大違反をした場合において当該重大違反を助ける行為(以下「重大違反唆し等」という。)をした者
六 道路以外の場所において自動車等をその本来の用い方に従つて用いることにより人を死傷させる行為(以下「道路外致死傷」という。)で次項第五号に規定する行為以外のものをした者
七 第百二条第一項から第三項までの規定による命令を受け、又は同条第六項の規定による通知を受けた者
道路交通法施行令より抜粋
(免許の拒否又は保留の事由となる病気等)
第三十三条の二の三 法第九十条第一項第一号イの政令で定める精神病は、統合失調症(自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)とする。
2 法第九十条第一項第一号ロの政令で定める病気は、次に掲げるとおりとする。
一 てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)
二 再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であつて、発作が再発するおそれがあるものをいう。)
三 無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く。)
3 法第九十条第一項第一号ハの政令で定める病気は、次に掲げるとおりとする。
一 そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)
二 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
三 前二号に掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気
当該事案について弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
第1回 一定の病気等に係る運転免許制度の在り方 に関する有識者検討会 より抜粋
【道路交通法(昭和三十五年法律百五号)】
(免許の拒否等)
第九十条 公安委員会は、前条第一項の運転免許試験に合格した者(当該運転免許試験に係る適性試験を受けた日から起算して、第一種免許又は第二種免許にあつては一年を、仮免許にあつては三月を経過していない者に限る。)に対し、免許を与えなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この項から第十二項までにおいて同じ。)を与えず、又は六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。
一 次に掲げる病気にかかつている者
イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの
一の二 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第八条第十六項に規定する認知症(第百三条第一項第一号の二において単に「認知症」という。)である者
二~七 (略)
2~14 (略)
(免許の取消し、停止等)
第百三条 免許(仮免許を除く。以下第百六条までにおいて同じ。)を受けた者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、その者が当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。ただし、第五号に該当する者が前条の規定の適用を受ける者であるときは、当該処分は、その者が同条に規定する講習を受けないで同条の期間を経過した後でなければ、することができない。
一 次に掲げる病気にかかつている者であることが判明したとき。
イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
ハ イ及びロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれが
ある病気として政令で定めるもの
一の二 認知症であることが判明したとき。
二~八 (略)
2~10 (略)
- 2 -
【道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号)】
(免許の拒否又は保留の事由となる病気等)
第三十三条の二の三 法第九十条第一項第一号イの政令で定める精神病は、統合失調症(自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)とする。
2 法第九十条第一項第一号ロの政令で定める病気は、次に掲げるとおりとする。
一 てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)
二 再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であつて、発作が再発するおそれがあるものをいう。)
三 無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く。)
3 法第九十条第一項第一号ハの政令で定める病気は、次に掲げるとおりとする。
一 そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)
二 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
三 前二号に掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気
4(略)
(免許の取消し又は停止の事由となる病気等)
第三十八条の二 法第百三条第一項第一号イの政令で定める精神病は、第三十三条の二の三第一項に規定するものとする。
2 法第百三条第一項第一号ロの政令で定める病気は、第三十三条の二の三第二項各号に掲げるものとする。
3 法第百三条第一項第一号ハの政令で定める病気は、第三十三条の二の三第三項各号に掲げるものとする。
4 (略)
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一定の病気(一部)の説明
再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であって、発作が再発するおそれがあるものをいう。)
○脳全体の虚血
脳全体が虚血状態になった場合に、即時に意識障害に陥り運転が困難となる。
○再発性の失神
・再発性の神経起因性失神:通常が半年に1回以上のペースで発症するが、投薬治療により、ほとんどの場合治療開始後2~3か月以内で完治する。
・不整脈:治療については、投薬治療、ペースメーカ装着、植込み型除細動器(ICD)装着があり得る。ペースメーカ装着の場合は、原則として、発作の再発のおそれはなくなる。植込み型除細動器の場合は、発作後作動するものであって、発作の再発のおそれそのものは否定されない。
無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く。)
○低血糖 何らかの原因で血糖値が正常値よりも低下することにより、自律神経症状又は中枢神経症状を呈する病気
・糖尿病の治療としてインスリン注射や服薬を行うことによる薬剤性低血糖症インスリン注射等を行わない場合には症状の発現はないが、高血糖が継続すると高血糖による諸症状が現れることから、継続的にインスリン注射等を行うことにより血糖値を低下させることは必要不可欠なものである。なお、なかには、体内から全くインスリンが分泌されない糖尿病(Ⅰ型糖尿病)もあり、インスリン注射等を行わなかった場合には死に至る。
・内分泌系のもの
体内の血糖をめぐるバランス不良に起因するものであり、経過も様々である。
○無自覚性
血糖値が低下した場合には、順に①空腹感、悪心、あくび、②眠気、あくび、寡黙、計算力の低下、③頻脈、発汗、過呼吸、④意識障害の低血糖症状が発現する。
したがって、①②③の症状(前兆)が発現した段階において、運転中止や糖分の摂取等の措置をとり、運転中に④の意識障害に至ることを防止することが可能である。
しかしながら、低血糖症のなかには、前兆を自覚することなく④の意識障害に至る場合(無自覚性低血糖症)があり、このような場合には、意識障害に至る前段階で運転中止等の措置をとることができない。
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そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)
○そう状態
通常の社会的抑制は失われ、注意を保持できず、誇大的又は過度に楽観的な考えの表明が見られる。
○うつ状態
抑うつ気分、興味や喜びの喪失、活力の減退等に加え、集中力や注意力の減退、事象又は自殺の観念や行為、希望のない悲観的な見方、自己評価や自信の低下等の様々な症状のいくつかが見られる。
○そううつ病の有する多様な症状に鑑みると、あくまでもケース・バイ・ケースの判断となることから、「自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。」と規定してこれに該当するものを処分の対象から除外する。
その他の病気について
○対象として想定している病気
・統合失調症及びそううつ病以外の精神障害(持続性妄想性障害等)
統合失調症及びそううつ病の診断基準に完全には該当しないが、これらと同様の症状を呈するものを包括的に対象とするもの。
・発作により意識障害、運動障害、見当識障害等多様な障害をもたらす病気群
・脳疾患系統のものであり、原因は、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血等)など様々。
・反復性で、一旦発現した障害が固定化せず回復して再度発作が起こるようなものを包括的に対象とする。
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