2019年3月22日金曜日

読書記録:社会心理学ショート・ショート 実験でとく心の謎

2019/03/22 05:06:15 JST



















2019/03/20 03:09:20

社会心理学ショート・ショート
実験でとく心の謎

著者  岡本浩一
発行所  新曜社

ISBN 978-4-7885-0229-1

初版第1刷発行  1986年3月15日
初版第27刷発行  2018年9月25日


・印刷の状態はあまりよくない。
ある文字は濃く、 ある文字は擦れている。



03:57:20
46ページまで読んだ。
これ、 本当に「本当のこと」が書いてあるのかな?
特にミルグラム実験。
ちょっと読者の感情を誘導してないか?
考え過ぎかな?


05:42:24
認知的不協和。


06:04:30
116ページまで読んで、 一旦終了。



19:20:56
読書再開。


20:19:47
心理学の実験で分かることは、 あくまで1つの傾向に過ぎない。
それがすべてではない。
全人類にたいして実験をすることなど出来ないからだ。

それと、 単純な実験なら素人でも理解できるが、 少し複雑化している実験に関しては理解するのが難しい。
焦点を1つに絞っていて、 それに対して1つのアプローチが行われている場合は分かりやすい。
しかし、 焦点が複数、 しかもアプローチの方法も複数となると、 もう訳が分からない。
実は異なる回答が無数に存在していて、 今回の実験ではたまたま”その結果”が出たに過ぎないのではないか。
そんな想像をしてしまう。


21:03:37
心理学というのは、 人間の心の傾向を測って遊んでいるだけなんじゃないかと思えてきた。
心理学の一番引っかかるところは 「すべての人間に当てはまる訳ではない」 という前提があることだ。
傾向が知れるだけで、 絶対的な解ではない。
時代や人間が変われば、 実験の結果も変わる。
なんの意味がある?


21:42:25
集中力が切れたので一旦終了。



2019/03/21 21:30:55
再開。


21:36:28
195ページ。


ある対象に接すると、 間もなくその対象に対する最初の態度が形成される。 その最初の態度は、 対象に備わっている正負さまざまの側面すべてを総合して形成されるのではなく、 顕在性の高いいくつかの側面の評価のみにもとづいて形成される。 そして、 その後、 同じ対象についての思考が行われると、 人間には思考内容の一貫性を高めようとする傾向があるため、 最初の態度と評価の正負が一致する側面は重視され、 一致しない側面は軽視されるか逆の方向に再解釈されるかするために、 全体としては、 最初の態度をより極端にした態度が形成される。 この段階で、 さらに、 最初の態度と一致する評価材料が新たに追加されることもあり、 これもこの極化過程に貢献することになる。



この一文に「第一印象がなぜ大事なのか」がすべて述べられている気がする。


22:05:26
読了。


読後感想:
判の大きさにたいして文字数は少なめ(ページ上下の余白が広い)なので、 読み終えるのにそれほど時間はかからない。

本書は、 大分類が7章、 小分類が22章で構成されている。
この小分類のうち21章が、 実験の内容と結果として述べられている。



もくじを書き出してみよう。

()内はスタディー・ガイドに載っている原典。



個人と集団

1.同調の古典的パラダイム(Opinions and social pressure)
2.実験室のナチズム(Behavioral Study of obedience)
3.模擬監獄の人間模様 - 役割は人をこんなにも変える(A study of prisoners and guards in a simulated prison)
4.衆人環視のパラドックス(A lady in distress: Inhibiting effects of friends and strangers on bystander intervention)
5.社会的手抜き - ”チームワーク”の陰で人は手を抜く(Identifiability as a deterrent to social loafing)



認知的不協和理論

6.入会儀礼の秘密(The effect of severity of initiation on liking for a group)
7.禁じられたおもちゃのパラダイム(Effect of the severity of threat on the devaluation of forbidden behavior)
8.報酬の見えざるパラドックス(Cognitive consequences of forced compliance)
9.フット・イン・ザ・ドア・テクニック(Compliance without pressure: The foot-in-the-door technique)



対人魅力

10.コンピュータ・デートでも類は友を呼ぶ(Continuity between the experimental study of attraction and “real life” computer dating)
11.相互魅力のゲイン - ロス効果  -だんだん好きになってくれた人が一番好き
(Gain and loss of esteem as determinants of interpersonal attractiveness)



情動二要因理論

12.人はドキドキしているときにはほれやすい(Some evidence for heightened sexual attraction under conditions of high anxiety)
13.幻の動悸 -人は自分の心音にだまされる(Cognitive effects of false heart-rate feedback)
14.逆の偽薬効果(Insomnia and the attribution process)
15.割り引かれた罪悪感(Cheating as a function of the labeling of natural arousal)



攻撃的行動

16.攻撃性の二次元(恐怖喚起と匿名性が攻撃行動に与える影響について)
17.テレビの暴力を幼児は学ぶ(Some immediate effects of televised violence on children's behavior)
18.核の冷戦のシミュレーション(The resolution of conflict: Constructive and destructive processes)



さまざまな態度変化

19. リスキー・シフト -集団決定は個人決定より危険がある
(Group influence on individual risk taking)
20.態度の極化 -考えれば、 態度は極端になる(Cognitive schemas and thought as determinants of attitude change)
21.集団決定の安全主義シフト(Group shift to caution at the race track)



実験的社会心理学の倫理的側面

22.だまされた被験者とだまされなかった被験者(Amelioration of deception and harm in psychological research: The important role of debriefing)



03:16:51
はぁ疲れた・・・・・。
文字に起こすだけでも一苦労だ。


03:26:58
本書から学んだことは多い。

個人的に一番の収穫だと思ったのは、 認知的不協和という言葉を知れたこと。

人間は、 自分の心に2つの矛盾した認知が生じると不快感を抱くらしい。
そしてその不快感を取り除くために2つの内のどちらかを変えて、 矛盾を解消しようとするらしい(すっぱい葡萄という話が分かりやすい)。
これを「一貫性の原理」と言ったりするらしい。

確かに、 日常の中で当たり前のように起こっていることだと思う。
認知的不協和を不協和のまま放置できないもんかな・・・・・。


8.報酬の見えざるパラドックス が面白かったな。
被験者は退屈な作業をさせられた後で、 後の被験者に「作業は面白かった」と嘘をつかなければいけない。
そして嘘をつく対価として1ドル、 もしくは20ドルを受け取る。

1ドル受け取った被験者は、 対価が低すぎるために自分でついた嘘に対して心の折り合いをつけることが出来ず(認知的不協和)、 その結果、 嘘を”本当のこと”だと思い込むようになる(内面化)。


あとは、 情動二要因理論も面白かった。
説明が難しいが、 自分の心になにかしらの情動が生じたとしても、 それが生じた時点ではそれが怒り・恐れ・喜び・悲しみなどのどれに該当するかは分からないという事らしい。
情動が生じた後で行われる”情動ラベリング”によって、 それが怒りなのか恐れなのか、 ということを知ることになる。


それと、 態度の極化について知れたことも良かったと思う。
嫌なものというのは、 考えれば考えるほどますます嫌なものになっていく。
考えれば考えるほど好悪の方向性が極端になっていく。
これを極化と言うらしい。


1回目の読了後に思ったことはこんなところだ。


04:18:00
実のところを言えば、 途中で飽きてしまった。
心理学の実験が示しているのはあくまで1つの”傾向”であり、 実験結果がすべての人間に当てはまるわけでは無い。

心理学は「不変の理」ではないということだ。

それを理解していない者が「人間はこう考えるものだ」と思い込んで、 一種の思考停止状態に陥る危険性はあると思う。

ネットで聞きかじった心理学なんて要注意だと思うよ。
誰が書いたものか分からないのだから。



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